市従の紹介

よりよい公共サービスの提供に向けて

大阪市従、結成から60周年を迎えて

市従は、2005年12月5日、結成から60周年を迎え、働くものの生活と権利を守るだけではなく、市政の発展と市民のみなさんが安心して暮らせる環境を創ること目的に設立した「大阪市従総合政策シンクタンク」をより一層発展させ、働き方改革を実践し質の高い公共サービスの実現をめざすこととしました。
また、「現場力」「協働力」「元気力」を柱とする「みんなの笑顔創造宣言」を確認し、市民の笑顔の創造とともに、働きがいを追求し、働くものの笑顔の創造とあわせて市民のための大阪市政の発展に向け、市従運動を推進するとしました。

60周年記念に寄せる本のご紹介

現業職員の仕事への取り組みや、労働組合が果たしてきた役割など、60年にわたる歴史を読みやすい物語形式で綴っていただきました。写真はドキュメンタリーを中心に活躍されている太田順一さんによるものです。

七つ森書館より1,800円(税別)で好評発売中

鎌田 慧さん 鎌田 慧さん
1938年 青森県弘前市生まれ。
新聞、雑誌記者をへてフリーライターに。

■主な著書
『自動車絶望工場』、『教育工場の子どもたち』<講談社文庫>
『ぼくが世の中に学んだこと』『労働者!』<社文庫、1990年、新田次郎賞>、
『六ヶ所村の記録』<講談社文庫、91年 毎日出版文化賞>、
『鎌田慧の記録』(全6巻)、『現代社会100面相』、『ドキュメント屠場』、
『反骨のジャーナリスト』、『日本列島を往く』(全6巻)、以上<岩波書店>
『ひとを大事にしない日本』<小学館>
『原発列島を行く』<集英社新書>
『日本人の仕事』<編著、平凡社>
『この時代に異議あり』<ポプラ社>
『狭山事件』<草思社>
『こんな国はいらない!』、『時代を刻む精神』<七つ森書館>ほか多数。

 

「現場力」市従結成60年を振り返って

市従結成時の記録を見ますと戦争のために焦土となった大阪で「喰うに食なく」さらにインフレなどで生活難に苦しみ多くの仲間が離職するなかで、私たち市従の先輩は「復興はわれわれで」するんだ、「市政の民主化」をするんだという熱い思いが記録されています。

私たちは、大阪市の中で、もっとも身近に市民のみなさんに接する現場にいます。ですから、地域の実情や困りごとを間近に感じ、知ることができます。

また、日々刻々と変わるまちの様子を見ています。いうなれば、その知識と経験が「現場力」といえます。その力を十分に発揮できる行政システムがあれば、地域社会により一層の活力と安心・安全を育むことができると確信しています。住民という共同体とそれを支える行政という機能体が対立するのではなく、よりよい方向に相乗効果を出さなければなりません。

私たち労働組合はそんな社会をめざし、60年間運動を進めてきた自負があります。
しかし労働組合として、思いを十分発信していなかったのではないか、と反省しています。この60周年を契機に、どしどし私たちの思いを社会に発信しようと思っています。

「協働力」地域の人たちと公務員との関係は?

公務員に対するイメージとして「融通が利かない」とか「決められたことしかしない」とか揶揄されることがまだまだ払拭されていません。

市民のみなさんにそのイメージを改めていただくには、住民生活と行政事業との線引きを極端にしてきた過去ときっぱり決別しなければなりません。

なぜなら益々多様化する住民ニーズに行政サービスがとても対応できなくなるからです。
また、地域における人と人との関係はプライスレス。お金で解決するものでもありません。
今必要なのは、地域住民と私たちが地域社会をより良くするために、お互い協力し合って地域の困りごとなどを解決していくことです。

それを私たちは「協働力」と表現しています。

その協働力が発揮できれば、地域住民と私たちは、お互い信頼にもとづく親密な関係をもてることになります。結果として公務員へのイメージも変わることとなるでしょう。

「元気力」これから市従はどこへ向かいますか。

「儲かる・儲からない」の収益性と「無駄がある・無駄がない」の効率性を縦軸・横軸にした時、市場原理に基づく企業などは「儲かる・無駄がない」所を追及することが必要ですから、私たちは「儲からない・無駄がない」所をしっかり担い社会のセーフティネットとして公務を遂行しなければなりません。

今の公務員バッシングの根っこは、「儲からない・無駄がある」所ですから、それを根絶する必要があります。

市民・住民のみなさんに私たちの存在意識を認めてもらうためには、働く組合員がその業務にやりがいや生きがいを持ってもらう「力」が必要です。その力を「元気力」と表現しました。

これからの「市従」は、その力をもとに市民のみなさんが大阪市に生まれてよかった。住んでよかったと思えるように世界に誇れるまちになるよう、また組合の綱領に掲げる「社会的諸制度の確立」と「基本的人権、平和と民主主義」を守るためより一層の運動推進をはかります。

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